AIDという家族のカタチ

夫の無精子症の為、AID(非配偶者間人工授精)で授かった子供たちとの過去・今・未来を綴るブログです。

私の家族の原点〜無精子症発覚直後〜

無精子症発覚直後に悩む内容は自分の人生に関わる大切な内容なので、人それぞれ確かにその人の血となり肉となっていると思うのです。

そんな事も伝えたくて、この記事を書きました。

 

ただこの記事は、子供を授かる事が出来ないかもしれないと辛い日々を過ごしている方がお読みになられたら、子供を授かった今だからそんな事が言えるんだ、と嫌な気持ちにさせてしまうことがあるかもしれません。

昔の私ならそう感じたかもしれないと思うので、可能性があるなら読まずに飛ばしていただけたらと思います。

 

 

結婚一年近く経過し、周りの出産・妊娠報告も増えてきた頃。

大人同士の遊びでなくて、子連れでキャンプとかしたいな。

そろそろ子供が欲しいな、と思っていた頃。

 

夫の無精子症が発覚しました。

 

発覚した直後は、辛かった。

日常の中から色が消えて、世界がモノクロになったように感じていました。

学生の頃から同じような道を歩んでいたと思っていた友人達とは、気付いたら私だけが一人違う先の見えない道を歩いているような。

 

今までの友人たちに会うのが辛く、極力会わないようにさりげなく距離を取りました。

沈んだ心を抱え うつむきながら職場への道をトボトボ歩いていたら、目の前にお腹の大きな人影が・・・ああ、又妊婦さんか、と見上げるとお腹の出たおじさんだったり(笑)

子持ちの同僚もいる職場に行くのも辛かったけど、仕事がなかったら一日中家で泣いていただろうと思う。

仕事している間は無理にでも笑わなければならないのが、逆に私には救いでした。。

 

 

無精子症という疑念が出てから、ネットで検索しまくる日々。

TESE(精巣の中に精子がいないか探す手術)、AID、養子、など色々調べていました。

 

なぜ私は子供がこんなに欲しいんだろう。

子供を産みたいのか?それとも育てたいのか?

色々自分の心に問いかける日々でした。

 

なぜ子供が欲しいのかといったら、もうそれは本能的なものとしか言えませんでした。

子供のいない未来を想像してみようと思ったけど、想像さえ無理でした。

子供は産めたらそりゃいいけど、育てる事が何よりもしたい。

子供のいる家族になりたい、というのが私の中で一番でした。

子供のいる生活(子供を育てること)が私の一番欲しいもの。

それ以外の血のつながりや産むことは、可能であれば、欲しいもの。

それが私の結論でした。

 

夫に、もしTESEをして精子がなかったらAIDには賛成か?それもダメだったら養子を迎えてもいいか?と聞いてみました。

夫が即答で、いいよ!と答えてくれ、私の心は少し落ち着きを取り戻しました。

 

私にとってAIDや養子は希望だった。

きっと子供のいる家族になれる、そう信じ込まないと精神的にきつかったです。

 

そんな中、ネット上で同じ境遇の人たちと繋がり、その仲間たちのやり取りが私の癒やしの時間になっていました。

 

人間その立場にならないとわからない気持ちがある、というけれど、本当にそうだなあと思いました。

マイノリティの気持ちは同じ立場のマイノリティにしか分からない。

 

職場での仕事を最低限こなし、同じ境遇の方達と毎日連絡を取り合って励まし合う日々がTESEまで続きました。

その間、AIDについての勉強会に参加したり、AIDで産まれた方の手記を読んで自分なりに考えたり。告知をするかしないかについても真剣に悩んだり。

 

そうこうしていたら月日は流れ、

無精子症が発覚してから半年後、TESEを実施。

精巣内にも精子がいない事実を前に、残念だけどモヤモヤが取れスッキリしたような気持ちさえありました。

 

さあ、次の扉を開ける時だ。AIDの道に進もう、と。

 

ここまでが、無精子症発覚からAIDに道に進むまでの経緯です。

 

 

 

その後時は流れ子供が産まれてから、不思議なことに当時に対する気持ちが180度変わったのです。

あんなに辛かった時期が、今となっては私の大切な家族の原点なのです。

大切な私の一部とも言えます。

あの時期なくして、今の私や家族はない。

 

あの時涙しながら悩んだことは、人生を生きる上で大切なことばかりでした。

子供を授かって日々思うように育児が出来ない時などに、ふとあの頃の事を思い返すと、忘れてかけていた大切なものを思い出すことが出来る。

 

 自分の中で何が一番大切なのか。

譲れないものは何なのか。

あの時に出した答えは、その後も私のことをしっかり支えてくれているのです。

 

人生、本当に大切なことってそんなに多くはない。

実は些細などうでもいいことに惑わされているだけだな、と。

 

人生無駄なことはない。

寄り道は人生を豊かにしてくれるものでもあるのですね。

 

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