AIDという家族のカタチ

夫の無精子症の為、AID(非配偶者間人工授精)で授かった子供たちとの過去・今・未来を綴るブログです。

無精子症ーまずは考えてみて欲しいこと

無精子症と診断され、TESE(精巣内精子採取手術)を行い、

それでも精子が見つからなかった場合。

 

 

進める道は3つ。

  1. 夫婦二人の人生を歩む
  2. 養子を迎える
  3. AID(非配偶者間人工授精)で子供を授かる

 

AIDを選択し子育てをしている今となっては

私はこの選択肢を見ても何とも思いませんが、

無精子症の現実を目の当たりにしたばかりの方にとっては、

中々厳しい3択に感じることかと思います。

 

 

 自分たちにとっての幸せとは何か?

 

どの道に自分たちは進むべきか・・・・。

その答えを出すためには、

ここからはしばらく、自分自身の心と向き合う時間となります。

そしてパートナーの心とも向き合い、二人の人生観を見直す時間です。

  

  • 家族って何?
  • 結婚って何のため?
  • なんで子供が欲しいの?
  • 自分にとっての幸せって何?
  • それには子供は絶対に必要なの?
  • 血の繋がりって何?

 

そういった様々な問いが頭を駆け巡るかと思います。

 

そんな中でも特に、

自分たちにとっての幸せとは何か?

を軸に様々な問についてついてじっくり考えてみて下さい。

 

何に幸せを感じるかは人それぞれ、人によって異なります。

 

普通に結婚して子供を授かっていたら、深くは考えなかったことですが、

こういった事を考え抜いた先に、自分の進むべき道が見えてきます。

 

 

なぜ子供が欲しいのかを考える

子供が欲しいという感情は、もはや本能なのだと思います。

だからなぜ欲しいのか?と自分に問うてみても、欲しいから欲しいんだ!!となってしまいます・・・。

 

そこで、、以下の3つのポイントについて

自分たちの幸せの為に譲れないものはどれか、考えてみて下さい。

 

  • 血の繋がり 
  • 妊娠・出産の経験
  • 子供のいる生活を送ること

 

もちろん、上記3つの全て出来ることならしたいに決まってます。

当たり前に出来るとついこの前までは思っていた事ばかり。

 

でもそれぞれの3つのポイントのどれをより大切だと思うか、

それには個人差があるようなのです。

 

子供が欲しいと一口で言っても、

自分と旦那さんの血の繋がった子供に会ってみたい思いが強い人、

子供のいる生活を送ることを何より欲している人

 

 もちろんその両方、という人もいるかと思います。

残念ながら旦那さんとの血縁は身内AIDを除いてはどうやっても叶いませんが。

 

でも、両方欲しいという場合でも、

自分の中で大切なものに優先順位を付けていくと、

不思議と進みたい道が見えてくるものです。

周りの無精子仲間を見ていてそう感じました。

 

 

血の繋がり・子供のいる生活・出産の経験、

この3つのどれを より自分の心が欲しているのか、優先順位をつけてみて下さい。

 

 

夫婦二人の生活・養子・AIDの3択について、

ベストな道はないかもしれません。

でも、ベストではなくてもベターな道が見えてくるはずです。

自分たちの幸せの為には案外それで十分だったりします。 

 

 

ちなみに具体的にはこんな考え方を耳にします。

 

⚫愛する旦那さんの血の繋がった子供をどうしても産みたかった。

それが叶わないなら、子供のいない生活を選んで二人で人生を楽しみたい。

 

⚫子供を育てることがしたい。

血の繋がりよりも、親を必要としている子供を育てたいと思うから、養子を選びたい。

 

⚫子供を育てたいし、自分のお腹で我が子の命を育みたい。

血の繋がりは可能ならあった方がいいからAIDを選びたい。

(旦那さんとの血の繋がりも欲しいから身内AIDという場合も)

 

こんなケースもあるのではないでしょうか

⚫子供がほしいと思っていた。

でも良く自分の心に問いかけてみたら、周りの出産ラッシュに流されて何となく自分も子供を産まなければならないという強迫観念にかられていたところがある。

子供のいない人生もいいのではないかと今は思う。

 

 

 

我が家の場合はどうだったか

 

私の場合は、子供のいる生活がしたいのが一番でした。

自分が幸せを感じるのに子供の存在は不可欠だと思っていました。

血の繋がりや出産は出来ればあった方がいい。

でも叶わなかったとしても身の割かれる程の痛みは感じない。

ただ、子供のいない人生を送るという事だけは

どうしても想像さえ出来なかった。

想像しようとするだけで心が張り裂けそうなくらい辛かったのです。

 

なので、夫婦二人の生活という選択肢はありませんでした。

AIDを挑戦してみて、駄目だったら養子を迎えたいという結論でした。

 

 

ちなみに夫の場合は、

子育て出来るならしたいし、妻のお腹で命を育んだり、

血の繋がりもあるならその方がいいから、AIDがいい。

駄目なら養子もいいし、それも駄目なら夫婦二人の生活でもいい。

 

との考えでした。

(うちの夫は、あるがままを受け入れちゃうタイプなので、まあどの選択肢でもOKだよっといったタイプです。無精子症と分かった時はさすがに1週間程は落ち込んでいましたが・・・。)

 

 

そして今現在、子供達の存在は私達夫婦にとって幸せそのものです。

父親と子ども達の間に血縁がないことは、私達家族の幸せに特に影響を及ぼしていません。

AIDの道は、私達夫婦(子ども達もと信じています)が幸せになるには十分な選択肢でした。 

 

 

遠回りは人生を深く豊かなものにする

無精子症と診断されなかったらあえて考える必要のなかったこと。

 

それは、"自分の幸せのために、本当に本当に必要なことは何かを考える作業” です。

”自分を幸せにする木” があるとしたら、枝や葉の部分ではなく、幹の部分は何で出来ているのかを考える作業です。

幹がしっかりしていれば、枝・葉は後からでも生えてきます。

 

すべては手に入らないかもしれませんが、それでいいんです。

自分が幸せになるために必要なものって、実は多くはありませんから。

 

以前は究極の選択に思えた無精子症の3択も、

今になってみると、私が幸せになるには十分な選択肢でした。

 

 

こういった様々な問を人生の半ばで深く考える事が出来たこと、

後に大きな財産になりました。

 

 

自分の人生の中で大切なことって、実はそんなに多くはありません。

自分が何をもっても譲れない程大切なもの。

 

でも大切なものが手のひらにあるうちは、その大切さに気づきません。

そしてあれも欲しいこれも欲しいと多くを望み始めます。

 

そして、望みが多くなればなるほど、それに伴う悩みも増えます。

 

そんな時には立ち返ってみてください。

自分にとってどうしても譲れない程大切なものは何だったのかを。

 

すると、多くの悩みはさほど重要ではないことに気づきます。

むしろ多くは、どうでもいいような事に対する悩みだったりします。

 

自分の大切なものを守るためには、その他のものを手放す勇気も時には必要です。

長い人生において、そういった事ってこれからも多々ありますよね。

 

仕事で行き詰まった時

子育てに行き詰まった時

自分とは何か見失いそうになった時

 

 

私の場合は時に、

子供に多くを望み過ぎそうになったり、

思い通りに進まない育児にイライラしたりすることもあります。

(子供を授かる前は、育児にイライラなんて贅沢すぎる悩みだと思っていましたが、

実際に育児すると誰もが避けては通れないことに気づきました。)

 

そんな時に、立ち返る原点がまさに今日の記事の内容なんです。

 

自分にとって本当に大切なものってなんだったっけ?

ああ・・・、子ども達の笑顔のある生活が欲しくてAIDに進んだんだったな、と

我が家の家族の始まりを思い返します。

 

 

そうするといつも、

『ああ子ども達の笑顔を守るためにはさほど大切でないことに、私は固執していたな・・・』

なんて自らを省みることが出来ます。

実際は日々、反省だらけですが・・・。

 

 

 

 これからの人生の原点にもなるような大切な課題について考えるきっかけを無精子症は与えてくれたとも言えるかもしれません。

 

皆さんも是非今一度、

自分と旦那さんが幸せになるために一番大切なものって何なのだろうか、

秋の夜長にじっくり考えてみて頂けたら幸いです。

 

お読みいただいてどうもありがとうございました!

 

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