AIDという家族のカタチ

夫の無精子症の為、AID(非配偶者間人工授精)で授かった子供たちとの過去・今・未来を綴るブログです。

AID家族のカタチも多様化している

近年AIDの治療の形は多様化しています。

現在皆さんがAID治療をするにあったって検討するのは下記の5つでしょうか。

(身内間AIDを除く) 

  • 国内の病院での人工授精
  • 国内の病院での体外受精
  • 国内での個人精子ドナー利用

 

 

私が治療していた2011年頃は、

国内の病院でのAIDを行い、駄目なら国内で体外をできる病院を探す。

皆が、一律で同じように上記の流れをたどっていたので、それと比べるとものすごく大きな変化です。

 

それに付随し見えてきたことを今日はまとめてみたいと思います。

 

多様化の原因

まず、治療法の多様化の背景にあるのはドナー不足。

出自を知る権利がクローズアップされ、

慶應大学病院でのドナー同意書にて情報開示の可能性があると記載が変更されたことによりドナーが激減。

多くのAID患者が通っていた慶應大学病院での治療が事実上ストップ。

国内人工授精治療の大きな受け皿をなくした状態になりました。

結果AID患者が海外に間口を広げ治療先を探すようになりました。

 

ドナー不足というネガティブな原因により広がった間口ですが、

実際多様な治療によって子供を授かった方たちにお会いしてみて、

メリットも多く感じました。

 

 AID治療法多様化のメリット

⚫まずは、国内での人工授精は妊娠率がとても低い(2〜3%)ので、

選択肢が増えたことによって妊娠率も上がったと思われること。

 

⚫海外精子バンク利用している方たちの様子は、現状の日本のAIDのあり方を考え直す良いきっかけにもなること。

同じドナーから産まれた子どもたちの交流など。

 

⚫出自を知る権利の認められる治療を求める方たちの選択肢(海外精子バンクや個人ドナーの利用)もできたこと。

またそれにより、出自を知る権利について更に議論を進めるきっかけにもなっていること。

 

  AID治療法多様化の課題

ただもちろん新たな課題も浮き上がりました。

大まかに書くと、

 

⚫選択肢が多様にある為、自分で調べ見極める力が必要になったこと。

海外治療の場合、すべての病院やエージェントが善意の元になりたっているようではないようです。

個人ドナーの場合も同じく。

 

⚫又、海外治療の場合ドナーさんが純粋な日本人でないことが多いため

(もちろんそのこと自体は悪いことではなく、素晴らしいなと思うのですが)、

子供の”自分は何人か”というアイデンティティの面で、心のサポートも更に考えていく必要が産まれます。

 

 ⚫治療費が以前よりたくさんかかるようになった。

以前慶應大学病院のAIDの治療費は一回3万円ほどでした。

それも値上げしていますし、海外での治療となると桁違いの出費が必要になることと思います。

治療中は心にも体にも負担がかかりますので、治療費が皆さんの心労を増やしているのではないか心配になります。

 

 

精子ドナー不足というマイナスからスタートしたAID治療の多様化ですが、

こうやって見ていくと、プラスな面も色々見えてきますね。

 

そして、複雑になっている分、子供が産まれたあとも、皆一律に同じ悩みを抱えるわけではないのが今の状態です。

 

AIDの家族のカタチも多様化しています。

 

自分たち家族にはどんなカタチが一番しっくりくるのか、以前より更にしっかり考える必要のある時代になったものだな、と改めて思いました。

 

 

お読みいただいた方、どうもありがとうございました!

AIDや無精子症に関するこんな記事書いて欲しい!というリクエストも良かったらお待ちしています。コメント欄にお願いします!

 

 

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